日本服飾小辞典 北村哲郎 著 特筆すべきは、40項目の厳選紹介の中でも色無地にはふれておきたいところである。<色無地>については色無地ほど古くてしかも新しいきものはないのではないかと著者は色無地の啓蒙性についてかいている。色無地は昔はなかったのかといえばそんなことはなく、無地染のきものとして、結構大きな需要をもっていたという。昭和42年発行の雑誌「新しい装い」誌上で竹下和宏氏は「無地染きもの」と題し、次のように述べている。<<きもの世界でも「流行」だとか「ブーム」だとか表現されるものもいろいろあって、変遷しているわけですが、この大きな意味におけるきものの中で、いちばんそういった人気の浮き沈みに関係なく、広く歓迎されているものがあるのです。それは「黒地染のきもの」または「色無地のきもの」といわれるものなのです。略、そしてむすびとして、みなさまのきものの計画には優れた生地の無地染のきものをお手入れになるようおすすめしたいと思います。 と記している。またたとえば、室町時代末期に書かれたと思われる「女房進退」という一書には、殿中では無地が後染のものではあるが登場していることから古くからこうした色無地とよばれるものは、知られていたことがよみとれる。 北村陵 結城紬北村織物