日本の染織 民芸染織 暖か味と地方色の美

この著書の目次をみて現在の統計では生産者及び従事者がいないもの、もしくは技術が途切れてしまった地方の織物があることに気がつく。では目次を引用しよう。出羽の古代織物/科布・ぜんまい紬など 山村精 暖か味のある津軽こぎん 大林しげる 素朴な美を持つアツシ(これはアットゥシといまは呼ばれている)米村哲英 愛情こめたアイヌの織物 中江克己 信濃露の民芸紬 本吉春三郎 楽しい紬との出会い 浦沢月子(こちらは浦沢月子さんの文はあとで特別ページで紹介します) 私が着た手織紬 佐々木愛子 ふるさとの味を持つ民芸紬 中江克己 摺り染めの美 吉村貞司 泥染が生む素朴な色 遠藤靖夫 紫草の匂える染め/紫根染め 中江克己 黄八丈のふるさと 中谷寿志 黄八丈を織って六十五年 奥山おなよし 黄八丈の染めと織り/工程と技法 日野英司 黄八丈物語/歴史と風土 遠藤靖夫 民芸染織の事典 となっている。とくに黄八丈の資料が目立ち、また北海道の織物は従事者が統計上ではいなくなっていたりしている。民芸紬として上田紬などの郷愁のただよう織物を中心として出版された頃であれば、実際にその製法などにふれることもできたかもしれないが、いまはそれも難しい田舎の風景も近代化でみることができないような文章になっているので、まだ町が不便であるがゆえに残されていた郷土の織物の資料価値はある意味、珍しい封印をされているといった気が私にはある。