日本の藍 伝承と創造 近世の藍と藍染めの普及という章では、西野嘉右衞門編「阿波藍沿革史」思文閣と阿波藍、ついで他国藍のなかから武州藍と尾州藍をとりあげ、藍の変遷を概観する企画となっている。一番面白い章にみえる。19世紀の藍染め普及については浮世絵、安藤広重「東海道五拾三次」から藍染めの普及度を表にしてデータをとり考察するユニークな企画だ。さまざまなカテゴリーによってパーセンテージにおきかえることで、浮世絵から藍染めを紐解く。藍染の医学についても掲載がある。藍の薬として薬用についてもこのページ内でも紹介してきたが、藍の抗HIV作用というテーマでは、効果的な医療薬がまだ開発されていないクラミジアやマイコプラズマ、薬らしい薬がほとんどみつかってない多くのウイルス感染などに基因する難治性の感染症に対して、優れた効果をもたらすことができると思うという視点から研究を検討し、山本直樹教授との共同開発をおこなうことにしたという。これらの研究で次第に科学的解明がなされていくことを期待したい。藍については出版が充実しているために、知識は比較的みにつけやすい時代になってきている。藍染となると、まだまだ普及していく可能性もある分野といえる。