栽培から染色まで 藍染めは誰でもできる 高田豊輝 結城図書館にも置いてある。藍染めの技術は難しいとされていて、そのイメージをこわして敷居そのものをさげる書物となった。一万冊が全国にいきわたり、現在は藍染めのさらなる研究の土台をなしているといっていい。藍染の困難さについては第一に、藍の葉を発酵させて<すくも>をつくるには大量の乾燥葉を保温室に積み上げ老練の藍師が百日間も丹精込めて対処しなければ良質のすくもが完成されない点、第二にすくもを使って染液をつくる藍建ては、専門の染色家が秘伝の技術をもって処理しなければうまくできないと言われている。このように藍染は技術が困難で、さらには手間がかかるために、その製品は非常に高価になってしまう。このままでは古来庶民のものであった藍染めは庶民のものでなくなるばかりでなく、技術的なものも含めて忘れ去られてしまうと著者は危機感をもって発行に至るのである。そこであげたものが三つを柱としたものである。 一)、一般家庭で栽培した少量の藍を原料にして、 二)、一般家庭用の器具を使用して、 三)、熟練や勘を必要とせず、よく染まる簡易な藍染め方法を開発する である。わずかな費用で藍染めを楽しめるはずであり、それが普及すれば昔のように藍染めは民藝として復興するであろう、というものであった。この三本柱を軸に著者は20年数十回と試行錯誤を繰り返し、その成果を著書へまとめた。その結果として一般家庭で藍染めは困難という通説を消した。この著書をたたき台として、さらに研究を進め、より良い藍染め方法を考案していただきたいとしている。高田式藍染めは藍染めが親しまれ、全国津々浦々で藍染め文化が華開くことを祈っている。 北村陵