日本色名大鑑 上村六郎 山崎勝弘 共著 我が国の眞の姿を明微する上にほんの少しでも多くの人々に情報として色(色見本参考書)を提供することを目的として本書の作成に入った。しかしながら、こうした目的の途中に大東亜戦争となり戦時において染料の不足と一方、正しい色、健全な色の要求と更にこれに加えて我が国本来の姿に対する自覚との結果、天然の資材を基とした日本の色、日本の染色と云うことが国民の生活に密接な関係を生じてきたという。<この序の文章でみるように上村氏と山崎氏の二人は染色業界をリードしていく、いる立場にある>とにかく染色の分野には資料が乏しい時代に切々と語られている(上村氏の序) 近来洋書の入手が不自由になるのに反して我が国の古典に目を通すことが多くなったと山崎氏は語る。この時代に大東亜戦争があってそれをきに、一層日本的なものへと国民の心の進展していくのを感じているとした。恩師本野精吾教授指導の許に色彩の科学的芸術的研究を始めて20年近くの年月が流れ、訓練された色威と混色原理とを応用した何か国家のために役立つことをしなければとの気持ちにかられていたときに上村六郎氏から本書協力を依頼されて二つ返事で受けたという。日本の代表的な色八十二種を刊頭に示した六種の原色を混合して再現したという。印刷インクを特別の配慮で完成された出版物となった。現在であれば印刷インクはここまで貴重なものにはならないがこの時代は貴重すぎるものだった。上村氏三十年の苦心の功績など無上の光栄に感じる次第として仕事へ関わった喜びをつたえる。 色見本はこれまで紹介してきたが、この時代の色見本はこうした困難な色再現などを戦って、どうにか染色資料を残すために、染色の壁をひくくするために、完成させたものである。