昭和の縮の作品からみる絣の解説

昭和の縮(1)

昭和の時代につくられた絣をつくってもらいたいとのことで、 さらにこのような絣をつくるにはどのような技術が必要かについて 解説したいと思います。まず図案の上では忠実に絣を再現することが 一番にくるのですが、このような昭和の手のこんでる絣は普通の生産方法 ではこのようには織り上がりません。絣は上記のような①②③のように 絣が配置されています。

結城紬というのは絣によって産地が発展してきたのは いうまでもない事実です。絣については、常に上糸が 絣糸になり、そのついになる糸が地糸になります。 すなわち、常に下糸は地糸になります。このような絣 の常識の範囲では、昭和の絣はつくれないということに なります。つまり、絣をつくったものは、絣に対し、 ある程度の生産方法を知っており、絣の生産の応用を おこなったとみることができます。昭和の縮(1)の実布 では、絣がすきまなく差し込んでいます。これは モロ絣とよばれる絣です。福井貞子さんの絣文化史に 記録されているでしょうか、まざましい発展をしてきた 絣文化は作り手が沈黙をすることで途絶えたものが 少なくありません。人間国宝、宗廣力三氏の作品にも 途絶えた技術は多くみられます。モロ絣とは通常であれば 地糸となる糸も、絣糸にきりかえ、織り上がりがタテ糸 でみたときに、すきまなく絣が入り、つながってみえる 絣に目の錯覚がおちいります。

モロ絣の糸の配列。きりかえで絣にすり替える。
モロ絣が発生いる絣のタテ糸の幅は、すべて上糸下糸が絣になっていないと完成されない。

技術の解説ができる人もそのうち産地にいなくなるでしょう。

参考:はけめ

この他、モロ絣の他、結城のてのこんだ下ごしらえの一例。本場結城紬 はけめ 上糸、下糸が違う色の糸の織物、またその結城紬。 無地、縞、格子でもおこなわれることがまれにある。きりかえ作業ですべての<上糸と下糸をきりかえる>ため大変な作業であるが面白い織あがりをみせる。

左記は絣のはけめ。