中貫十字絣(なかぬきじゅうじかすり)

生産の基礎技術と解説
十字絣の中央部分のクロスする部分を取り除いた形状を中貫十字絣(なかぬきじゅうじがすり)といいます。産地では単に中貫ともよびます。蚊絣と生産技術そのものは非常に似ており、ヨコが1往復で織り重ねられ、経糸が一本の構成となっています。仕上がりが上記図、織で左図のようになります。
中貫十字絣も蚊絣のように配列などを自由に考えて配列させることができます。左図のようにパターン例を図案にしたものは下の画像のように仕上がります。
  これが図案化したものを製品にした中貫十字絣です。
  このように通常のデザインに縞を入れ込みます。これは縞と絣を一反の結城紬で表したもので、二つの楽しみがあります。縞ものと絣ものが一度にたのしめるという点で応用技術ともいえます。
これが上記の図案を製品にしたものです。この作品は私の織元が全国伝統工芸品コンクールでの日本経済 新聞社社長賞の受賞作です。これは、作品の意図は、帯状絣にもみえる、最小手数の絣で総柄を表現したもの、縞と絣の融合など複数要素があいまり、評価されました。本来作品としては<縞に中貫十字絣>とよべますが、<縞に華十>(はなじゅう)と華のような十字絣と作品名にしました。最近では文化庁からの伝承事業でも作品名をつけて愛着をもってもらうようになっています。作品名をつけることで受ける人がそうか、と思うようにするのもいいと思います。例えば青い縞を<海辺の思い出>などと命名した作品にすることでそこで作り手の想いや意図が伝わりやすくなることがあるからです。