銭形絣(石臼絣)と甕垂絣(かめだれがすり)

 

一文銭の形をした絣で、そのほか全く同じ絣が、そば粉などをひくために使用されていた石臼(いしうす)に似ているため、石臼絣とも呼ばれる。小紋のように小さいと渋いものだが、やや大きくして童話風な感じに結城紬の絣は用いていた。結城紬の図案で手描きの頃からコンピュータのいまでも二枚三枚目を重ねて、飛柄によくみられる絣である。
   
かめだれ絣は、水モチーフにして沖縄琉球から伝播していった絣で、水がめから垂れた水の美しさを模様化したもので、沖縄では昔から伝わる水がめの雨水のありがたみを、醤油のように水は使うという「雨垂れ水は醤油使い」という言葉がある。水を大切な貴重なものだというのが伝わる言葉だ。さらに水がモチーフでヨコにした状態では水紋絣とかかんぜ水絣とかとよび、浴衣に用いられている水の流れを形どったものがある。左記に記して参考にしてもらいたいが郡上紬の人間国宝、宗廣力三氏がこうした水の流れを表現したと思われる絣をたくさん作品みることができる。しかも彼の素晴らしい点は、まだコンピュータで正確な位置をかけるかどうかもわからない手描きの図案時代に、いまの技術でも難しい高度な絣がみられる点である。
井桁絣(いげたがすり)
井桁(いげた)とはききなれない世代が多くなっていると思うが、井戸水をくみ上げる井戸のわくを図案化したもので、素朴な味わいがあり、十字絣と同じように多くみられた絣である。ここに紹介してきた絣のように、昔の生活で身近にあるものを模様にしてとりいれより生活を豊かなものにしたり、道具や模様に愛着をもっていたことがわかるように絣の発展した国、日本らしさがそこにはある。

絣くくり(防染)のしくみ
①水色に糸を染める(残したい色に染める)
②木綿糸で手つむぎ糸を絣くくりして防染する
③紺色(地になる色)に染め、防染した木綿糸を外す
④紺地に水色の絣(残したい色が絣)ができる