染と織 安西千恵子 監修 1993年が初版である。とくに私が面白いと感じるのは各織物の変遷の部分である。例を一つあげれば、阿波しじらをあげて引用しよう。ーーー江戸中期から阿波地方に伝わる湛縞(たたえじま)に改良と工夫を加えてできたものが阿波しじらである。ある夏の日、海部ハナという人が織りあがった湛縞を干しているところへにわか雨が降った。雨にあたった湛縞の表面はこまかいしわができ(しぼ のようなもの)、まるで縮のようになった。これをヒントにハナが創出したのが阿波しじらである。ーーーーという感じで変遷は一味つけている。 北村陵 北村織物