手織の技法 居宿昌義 田中佳子 共著 織りについてどの辺りから噛み砕くかといえば、人間は織物をつくる時に経糸(たていと)を地面に対して垂直(すいちょく)に張る方法と、地面に平行に張る方法がある。ということろからである。垂直に張る方法は、竪機(たてばた 難しい漢字であるが有名)にその原理が元になっている。平行に張る方法は、地機、高機の経糸の機巻きに該当する。この著書が丁寧に導いたこと部分は、経糸を一度に持ち上げるしくみについてである。経糸は織物で上糸、下糸の二本で一組、一対とされている。そこへ緯糸(よこいと)が通されて上糸下糸がクロスして織り組織が組み立てられ、織りこまれていく。この上糸と下糸そして経糸を一度にもちあげるという、一見簡単なしくみは、原理は確かに簡単であるが、この解明にはかなりの時間を費やしたと思われる。持ち上げたい経糸を一度に持ち上げて、というしくみは、三つの方法から出来ている。鉤(つりばり)のような形のものによって経糸をかけて持ち上げる方法(1)、紐で一本一本、結んで持ち上げる方法(2)、一本の糸を輪奈状にして持ち上げる方法(3)、の三つである。結城紬は(3)にあてはまる。これら全てを総称して 綜絖 そうこう と呼ばれている。V型の空間をうみだし緯糸を通し、糸は常に8の字型に交差し、8の字の隙間の中に緯糸が通っていくことになる。この先も綴りたいが、著書のまんまでお前は何の変化球も入れていないと言われるとごもっともで、つまらん解説がいらない出来栄えが本書 手織の技法 なのである。結城図書館で借りることができるため、私物にしたいのであれば、借りてみて検討していただきたい。 北村陵 北村織物