織りと染めの歴史 西洋編 佐野敬彦 著 染織の美と題して生活の基本アイテムとしての染織品、ものからアート、素材美、技法美、意匠美の三大要素にせまっていく。古代の染織という題では南シベリアのパジュリュク出土、ササン朝ペルシアの絹織物、ビザンティンの絹織物、コプトの織物とせまっていく。イスラムやイタリア中世とルネサンス染織、フランスの絹織物、イギリス、イングランド、ウエールズ、スコットランドの染織、20世紀前半の染織、古代アンデスとアフリカの染織というように世界各国の諸事情染織関連を掘り起こす。染織史は世界の枠で地球規模でみてみるとまた違った意味での衝撃と発見が用意されている。私が箇条書きのようにまとめたもの、興味深かった個人的なものを掲載して筆をおこう。 ーーーーーー1919年ドイツのヴァイマールに開校したデザインと建築の専門学校、それがバウハウスである。1919年というと世界史ではベルサイユ条約がどうのこうのという中学社会授業に習う年号である。話を戻して、バウハウスは放任主義で自由を奪わない教育ではあるが最終的にはすべてのデザインは建築に集約されるというものである。バウハウス学校の特徴(特長)は、何と言っても、シンプルで機能的なモダンデザインを尊重して重んじることにある。文様や色彩のはなやかさや遊び心よりも、シンプルでしかも重厚であたたかく、織物の組織や素材がつくりだす造形美を求めるのである。近代織物の方向を決定づけたといっても過言ではない。バウハウスはナチによって閉鎖されたが、ナチから逃れるように移住した卒業生と教師によってバウハウスの造形精神は世界に広められた。アメリカの染織は、バウハウスやスカンディナビアからの染織作家を得て大きく前進した。フランスのアールデコの染織、ポワレやシャネルなどのモードの影響で衣装用のテキスタイルが形づくられていった。モダンテキスタイルの教育を北欧スウェーデンやノルウェーなどの雪国の染織家がすすめて教育し、織物はアメリカではクラフトアートととして育っていくことになる。ーーーーーー 北村陵 北村織物