琉球芭蕉布 辻合喜代太郎 著 実物裂45点入 辻合喜代太郎『琉球芭蕉布』 限定200部 沖縄の染織。上巻、下巻によっての実布付であるが、10万円近い高額資料につき、国立単位の充実した資料図書館で借りて読むことをすすめる。芭蕉布は、国の重要無形文化財指定を受けているが、こうした沖縄の織物は、他に久米島紬なども同じく国の重要無形文化財指定を受けており、沖縄は織物は独自性や特有性が色濃く残っている織物産地である。みごたえ、よみごたえ共にそろった染織資料である。ウェブ百貨辞典では芭蕉布はこのようになって概要としている。引用する。>>おおよそ500年の歴史があるとされ、琉球王国では王宮が管理する大規模な芭蕉園で芭蕉が生産されていた。庶民階級ではアタイと呼ばれる家庭菜園に植えた芭蕉で、各家庭ごとに糸を生産していた。現在の沖縄島では大宜味村喜如嘉が「芭蕉布の里」として知られる。一反の芭蕉布を織るために必要な芭蕉は200本といわれ、葉鞘を裂いて外皮を捨て、繊維の質ごとに原皮を分ける。より内側の柔らかな繊維を用いるものほど高級である。灰によって精練作業を行うが、芭蕉の糸は白くはならず薄茶色である。 無地織か、ティーチ(シャリンバイ)の濃茶色で絣を織るものが県外では一般的な芭蕉布と認識されているが、沖縄では琉球藍(Strobilanthes cusia)で染めたクルチョーと呼ばれる藍色の絣も人気が高い。連合国軍の保障占領下で進駐したアメリカ軍によって「蚊の繁殖を防止する為」として多くのイトバショウが切り倒され、絶滅の危機に瀕している。近年では、紅型の特徴的な美しい黄金色を染めるフクギやアカネ、ベニバナを用いることもある。<<芭蕉布の素材は植物であり、より栽培の困難かつそのなかで芯の中心に近い貴重な素材はそれだけで、付加価値とよべるしろものであり、100万円という織物になるが、それは言葉擁護の余地がある。本場結城紬も似ている価格評価をうけやすいが、それは絶滅危惧種の織物としてみれば、しごくまっとうではあるがその売り上げが職人に入るわけではなく、100万円を投資しても生産者は潤わないことは明記しておきたい。 北村陵 北村織物