日本染織地図 創造と伝承 北海道に住む有志に追悼の意と敬意をこめて北海道中心に筆をかく。通産省では「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」という通称、伝産法によって伝統的な織物、染物に指定するには、百年という月日を決めており、アツシ織というアイヌ人たちの染織の痕跡の他に、近年、優佳良織という旭川の近辺中心で羊毛(政府は明治期から大正期にかけて羊飼いを推奨し伝統になったといわれている)とかかわりの深い織物が関係者の間で新たな勢力として認知される兆しがある。百年構想の伝統を築く過程、あと20年を残すのみのものとなっているのがこの羊毛の優佳良織である。一つの作品に300色近い色を織りこみ、油絵的な表現が特徴とされている。とくに染織工芸というものは、風土に根差さないと育たないし、はじまないとされ、育つ必然性がないわけである。あと20年の伝統をつなぐのみとなっている。これから何か新しいことをするか、しようかとする者にとっては一つの指針を示すものであり素晴らしい。優佳良織の創始をされた作家 木内綾 さんはたった一人の作家として出発し工芸館を開館し、年間入館者36万人吸収するという異次元の染織ブームをもひきおこした。地元に仕事の少ない北海道に仕事をつくり、その評価もされている。アイヌの織物素材は植物で色彩はきわめて限定的であったが新生、優佳良織は多彩である。染織研究家 竹内淳子 さんはこういう言葉を残されている。「伝統がなければほんとうに良いものをつくり出して、そこから出発して百年を経過すれば伝統産業の仲間入りができるわけですから」と優佳良織の期待値とだぶらせてみている。魅了されるアイヌの美意識としてアツシ織は、はたして現状に生き延びる条件を持っているのかという問題提起がある。オヒョウの木が素材であるが、周辺は国立公園が多い。有名なアイヌ文様、切伏せ も存続が危ぶまれているが、この文様はなんとしてもどさんこは残す努力をしなければ、染織の伝統は希薄に映ってしまう。どさんこの若き染織家は、これから を考えて動き出すときにある。 北村織物 北村陵