糸つむぎ

1手紬糸の作成、糸とり<手紬糸の生産、糸とり>

<本場結城紬の最良の素材手紬糸と国の重要無形文化財指定理由、手紬糸の技術と性能>

結城では一枚約2グラムの真綿を約350枚使って一反の糸を紡いでいきます。2ヶ月ぐらいかけて3万mとれます。左手の親指と人差し指を使って真綿を引き寄せ、唾液をつけた右手で捻りをくわえ手元にしごいていく。手紬糸は撚りのない無撚糸(むねんし)なので空気を含み、機械ではできない多彩な風合いを生み出します。本場結城紬のやわらかな触感と渋い光沢の秘密は、手紬糸にあり、生地がやさしく、飽きがこない。子や孫の代まで着継ぐことのできる結城紬の命は、まさに手紬糸にある。<手紬糸の作製技術は国の重要無形文化財として指定されています。本場結城紬重要無形文化財指定理由三要件その一。技術指定。>現在、糸とりは近所のおばさんに頼んでおこなっていて、その形式が途絶える事無く続いています。糸とりは家内制のため、これといって命の危険は無い仕事ではあり、昔副業で農家の方が冬場におこなっていたということが今も続いて今に至っています。太さは取り手によって違い、織元は太さでどこの糸に使うかを決めます。またその賃金と手間を考えると趣味でとっているという方がほとんどで、後継者が不足してます。

<手紬糸の説明>

本場結城紬の生地は手紬糸という真綿(まわた)を<つくし>という伝統工芸士の作る職人道具によって、人の力と道具の工夫により作成されます。生糸は、複数の繭(まゆ)から一本の糸を作り出し撚りがかけられ回転がかかっています。これが生糸の特徴です。それに変わって手紬糸は真綿(まわた)、つまり繭(まゆ)を重炭酸ソーダで煮込み一枚の袋の形となり(袋真綿>ふくろまわた)の状態からつくしにかけ、人の唾液と力で紡ぎ出されます。その手紬糸の作成までを説明し、現在、本場結城紬<国の重要無形文化財指定要件、手紬糸の生産、いととりを紹介します。 

 右にみえる道具が<つくし>といわる糸とり道具です。素材は竹を中心に、きびがまわりにつけられており、人の力でぶれないようにおもりがついています。

左が袋真綿(ふくろまわた)です。右が袋真綿から人の力でつむぎ出された手紬糸(てつむぎいと)です。
<おぼけ>という道具に手紬糸をおぼけにためていきます。
手紬糸の生産者は高齢の方が主で、日常の暇をみて今までえんがわなどで作業しているようです。本場結城紬<国の重要無形文化財>の指定前から営まれてきました。今、生産者の中でも細くつむげる方が不足しています。産地が縮小とともに高齢化も進み、生産の不足も危惧されています。管理人のつむぎ出す糸は帯にしか使用できない太さです。糸の太さはデニールという単位で割り出され、市場にでます。一枚の袋真綿が2グラムで94グラムを一ボッチという単位と計り方で取引されていきます。糸とりは、織りを経験した人がとるといいといわれていますが、それはよこかたてか絣の緯か経かが熟知しているからである、ということからそういわれているのでしょう。
手紬糸の後継者も不足の声がある。2008から糸とり開始を行なった。
軽くて暖かい生地は人の力によって生産されています。
94g
手紬糸
ボッチ揚げという工程をふみ綛(かせ)になる。写真は管理人の紡いだ手紬糸256D。
写真左が<つくし>といわれる道具。昭和初期の手紬糸の風景写真
平成11年4月手紬糸のよさが新聞に掲載される。日本の伝統である。この良さを守ってゆくことが大切だと痛感。
2008年秋、つくしの道具作りを行なった。2008冬より手紬糸の製作も自ら行なうようにした。帯に手紬糸を使用する。
生糸(きいと)/大島紬などの糸 手紬糸(てつむぎいと)/本場結城紬の糸 手紡糸(てぼうし)/結城郡織物(いしげ結城紬)の糸
特徴/性能
糸扱い
糸扱い 均等で比較的扱いやすい

ややまばらで扱いにくい 糊付けで補強しながら織物にしていくほどに糸が切れやすい

ふしこぶがあり、その点、切れにくい。
価格 生糸の相場 反物一反分10万以上で高価 手紡糸機械(一反分約1万円かからない)
性能 糸は手紬糸と違い、光沢がある。すべすべした触り心地。 ざらざらした触り、軽くて保温性に長けている。セリシンとよばれるものをとりのぞき、光沢は始めは無い。使うほど光沢がでる。空気をふくみやすい性質がありかるくてあたたかい織物になりやすい。 手紬糸に似ているが仕立てあげた後徐々にざらざらしていく。糸はむらこそあるものの、染色むらが少ないため染色用に手つむぎ糸の代用品として用いられることもある。機械によってできた紡績糸である。
糸性質 蚕が吐いた糸を束ねて撚り(より、ひねり)が掛けられている。 真綿から人の手により糸がつくられていく。国の技術指定をうけた重要な工程で高度な技術がいる。手紬糸は生産者も限られる。撚りのない糸とかき、無撚糸(むねんし)ともよばれる。撚りをかけたものがちぢみ用の手つむぎ糸である。最初は真綿かけの工程でセリシンをはずし、光沢はほとんどないが着物で着こむうちに本来のうちにこもった真珠のような光沢がでる。

糸が機械で紡がれていること、糸のでこぼこ、など。場合によって生糸と混ぜて紡がれることもある。撚り(ひねり)がかかっている。いっけん手つむぎ糸には似てはいる。染色では見本用にもちいられることもある。この紡績によって生産された<手紡糸 てぼうし>は半自動織機などの機械織り結城紬に用いられる。人が手でひいた<手つむぎ糸>より断然に切れにくいので機械織りに用いられている糸といっていい。手織りの研修生が手織りに用いて修行するケースもあるが例外的である。太陽の光にかざすとてかりやすく着物できこんでいくほどにより光沢もなくなりボロ布のようになってしまう。<参考>北村織物では扱っていません。茨城繊維指導所協力撮影。

2008年10月まとめ

監修:望月指導所所長監修済み

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