絣くくり
男衆が糸をくびり、女衆が紡いで織る、これは結城の里に古くから伝わるならい。絣の柄部分に染料が染み込まないよう綿糸でくくる作業が絣くくり。まずは紬糸をピンと張り、図案にそって絣模様の部分に竹の先で墨をつけ、その部分をねじらないよう正確に、同じ圧力でしばっていく。くっきりとした絣模様を出すため、また、たたき染め(床にたたきつける染色技)にも耐えられるように、しっかりとくくらなければならないため、強い力が必要。そのため、昔から男の仕事とされてきました。父が絣をくくり、母が機を織る光景を見て育った男衆にとって、父親の跡をつぐのはごく自然なことだとか。熟練した男の技をもってしても、精緻な柄になれば、一反分をくびるのに、数カ月を要することもしばしば。くくっていると、その糸を紡いだ人の心まで分かるとのこと。そして、いつも織る人のことを考えながら仕事をしているといいます。糸を紡ぐ人、絣をくくる人、染める人、機を織る人・・・、すべての人の心が一つになり、一人ひとりが最高の仕事をして、はじめて結城紬が生まれるからです。結城紬は次の工程の方に「心」を伝える仕事でもあるのです。

転載先 結城紬